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3つに整理するだけで『武器』になる?

3つに整理するだけで『武器』になる?

要点は3つに絞る?

「ポイントを3つに絞ると良い」という整理方法は、プレゼンテーションや日常のコミュニケーションにおいて広く活用されている有効なテクニックです。話の要点を3つにまとめることで、聞き手は情報を整理しやすくなり、伝えたい内容がより明確に伝わります。3つ程度の情報であれば記憶に残りやすく、内容の理解が深まるからです。そのため、「今日は3つのポイントに絞ってお話しします」と冒頭で伝える手法は、多くのビジネスパーソンにとって基本的なスキルとして浸透しています。

しかし、この「3つに絞る」手法は広く知られているのですが、3つを並べるだけで満足してしまっている人も多く見られます。そこで今回、3つに並べた後に確認すべき、2つのチェックポイントをお伝えします(ちなみに…、チェックポイントが3つでないところは、どうぞツッコんでいただきたいところです)。

(すわ)っているか?

1つ目は、3つの並びが整っているかどうかという点です。

具体的なもので考えてみます。
カメラの三脚をイメージしてください。三脚には3本の足があり、その足がしっかりと支えることでカメラが安定します。もし、3本の足の長さが違えば、カメラは不安定になり、撮影が上手くいきません。当たり前のことと思われるかもしれませんが、3つにまとめる際、実はこの点の考慮が抜けていることが多いのです。それは、3つ目が無理にねん出されたものであったり、思いつきであったりするからかもしれません。

とにかく、物事を3つに絞ることは大事ですが、それだけではなく、その3つがきちんと並列できている、即ち「3つのポイントがしっかりすわっているか?※1」がポイントになるのです。

事例で見る「3つの坐り」

例えば「衣食住」という言葉です。これは、基本的な生活のために必要な3つの要素を表しています。言葉だけを見ても、カメラの三脚の様にとても「坐り」が良いことがわかります。この他にも、「朝昼晩」「上中下」「天地人」「過去・現在・未来」なども並びが良いのがわかります。

狙いが込められているか?

2つ目のポイントは、3つを並べた狙いが何なのか?という点です。

一例を挙げます。

よく保育園や幼児園に「一、挨拶は先にする」「二、呼ばれたらハイの返事をする」「三、椅子や靴は揃える」という言葉が掲げられています。この言葉も3つにまとめられています。この言葉は、日本の教育哲学者、森信三が提唱した有名な言葉です。

一見、並びが整っていないように見えます。しかし、「挨拶」は「自分が意識すること」、「返事」は「他人を意識すること」、そして「椅子や靴を揃える」は、「場や組織を意識すること」を意味していると考えられます。保育園などで掲げられていることから、「学力をつける前に、人格をしっかり育てましょう」という狙いがあるように思えます。

文字だけでは「坐り」の良さはわかりづらいのですが、「まずは自分、次に他人、そして集団への意識」という「狙い」が見えれば、この事例もまた見事に整理されている事例と言えるのではないでしょうか。

3点整理だけでは、価値が低い

今回は「3つに絞る」ポイントをお伝えしましたが、あくまで3つに整理しただけであり、それだけでは、何も解決されていません。

企業においては、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」「理念・戦略・計画」「社長・幹部・社員」「顧客・競合・自社(3C)」「採用・育成・評価」…などに分けて、資料をつくられていることも多く見られます。しかし、並べて整理しているだけでは、何も変わりません。

 

確かに、日々の問題を解決することが仕事です。問題解決に明け暮れると、整理する時間もなくなります。整理せずに、やみくもに散発的に問題に取り組んでも、タスクにおぼれることになったり、シナジー効果も発揮されなかったりするでしょう。

3点整理で問われていることは?

「1.坐りが良く」そして「2.狙いのある」良質な・・・項目に整理することで初めて、見えなかった課題に気づき、課題解決への道が見えてくるのです。

課題解決のために、そして、より本質的な課題に迫るためには(たとえば、経営戦略の構築や組織づくり、人事制度の設計といったビジネスの根幹に関わるテーマに適用する場合には)、一歩踏み込んだ視点が必要になります。
単に3つの要素を並べたり、狙いがないまま並べたりするだけでは、核心をついた本質に迫る思考には至りにくいのではないでしょうか。

課題解決のために整理する場合は「なぜその3つなのか」という関係性や背景を深く掘り下げ、3つのポイントが互いにどう結びついているのかを見極めることです。そうすることで、3つに整理するテクニックは単なる情報整理の手法から、戦略的思考を支える枠組みへと昇華します。

3つに整理する、という整理方法は「ただプレゼンテーションのため、見せるため、だけの整理」で終わるか、「課題解決につなげられる整理」になっているのかで、整理した人の実力が試されるものなのかもしれません。

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