PDCAを上手く回せていません。どうすれば良いですか?
ご相談内容
社員がPDCAを回せていません。
弊社には、P(plan:計画)を立てても実行が不十分なタイプと、計画も十分に立てず、D(do:実行)に走るタイプが多いように感じます。
どうすれば、上手く回せられるようになりますか?
(不動産業 役職:代表取締役)
PDCAが回せていない人は実は多い
「PDCA」という言葉は、何十年も前から使われている言葉です。
書籍も様々に出版されています。また新入社員研修で教えている企業も多くあります。
PDCAを変形した理論も世に溢れています。
とにかくPDCAは、ビジネスパーソンにとって身近な言葉です。
しかしながら、誰もが知っている言葉でも、誰もが回せられるようになっているか?というと、そうではないから、今回のようにご質問をいただいたのだと思います。
まさに、「知っている」と「やれている」とは別、の好例ですね。
PDCAは3つの段階でチェックする
私たちが「PDCAが回せていない」というご相談をいただいた際、解決策を打ち出す前に、まず、その企業が以下のどの段階か?の実態をヒアリングするようにしています。
第1段階 スローガンで終わっている
社長が「PDCAを回そう」と宣言するのは良いのですが、その後、幹部以下の方々が「PDCAを回そう」とスローガンのように言っているだけ、の段階の企業です。
ミスが起こっても、担当者に「ちゃんとPDCA、回せよ」の一言で、指導もせず終わってしまいます。
第2段階 動機が不十分
PDCA の上流が不明確のため、回す動機が不十分なため、回っていない段階です。
例えばPDCAのPは「企画・計画」の意味ですが、「企画・計画」で達成すべき「目標」が不明確であったり、目標の上位である「何のためにその目標を達成するのか?」という「目的」が不明確であったりする場合です。
近年、理念体系に「パーパス」を据える企業も増えましたが、都度、仕事で「何のために働くのか」を本人、上司共々、確認する手間をかける必要があります。
そういうことを省いてしまうと、目的不明のままやらされ感でPDCAに関わったり、ピントが外れたPDCAを回したりしてしまいかねません。やらされ感で回すPDCAはとても苦しいですね。
第3段階 自社のPDCAを運用する
自社におけるPDCAとは何か?を決めて運用しているかどうか。
各人が別々の本やセミナーで学んだPDCAで回した場合、様々な場面で認識差異を生じてしまいます。ですから「自社に最適化した」PDCAの共通認識が必要なのです。
例えば、1980年代のビジネス書によく出てくるPDS(Plan・Do・See)とPDCAの違いは?と社員から問われて、どの上司も同じような見解が言えるかどうか。
PDCAのPとは?Dとは?Cとは?Aとは?など、自社で使う言葉を決めていくのです。
ある企業では「PDCAのC」を「反省」と定義している企業がありました。
新入社員が「Cは検証ではないのですか?」と上司に質問したところ、その企業の理念に基づいた、明確な返答をされていました。
質問した部下も、日頃の上司の発言や仕事とつながった上司からの返答に対して、納得した様子でした。
PDCAに限らず、当たり前に使っている言葉こそ、注意が必要です。
DREAMIXより
「上手く回せられるか?」というご質問でしたが、
自社はどの段階でしたでしょうか?
丁寧にステップを一つひとつ踏むことも、一つのPDCAを上手に回すことになると思います。