研修での学びを社内で活かすには?
経営者・総務・人事担当者様から、「セミナーや研修をしても、社内で知識や学びを活かせていない」という課題の声を多くいただきます。
その背景には、研修の効果を社員個人の自助努力や、セミナー会社の腕前に委ねており、 最も重要な「自社内での活用」つまり「研修の内製化」という視点が無い状態での研修導入が理由としてあります。
内製化を前提とした研修の設計を
「内製化」とは、「外部委託していたことを、社内で取り組めるようにする」という意味です。
ここで外部研修を内製化する目的を「経費節約」で考えてしまいますと、内製化の意義が「セミナー会社に任せた外注講師を、社内人材でも講師ができるようにする」という意味になってしまいます。
つまり「講師役の人が教える」という「一つの作業」しか、社内で内製化されず、本来の目的である「研修での学びを社内全体で活かす」というところへは、至らないゴールを設定していることになります。
また、講師役を務める社内人材は、常に社内で講師という見本であらねばならず、責任やストレスも負うことが多くなります。 加えて、勉強時間や講義資料作成などの準備時間、最新の知識や情報収集に関わる時間、また、そういう役割を担える人材はある程度のポジションの方であることまでを考えますと、試算の仕方によっては、「経費節約」の目標の達成どころか、外注よりもむしろ経費はより高くなる可能性もあるのではないでしょうか。
会社の成長を加速させる「内製化」とは?
そこで内製化の意義を「どんな学びを仕入れても、自社のモノにする。社内で活かせる」と設定してみます。 すると、学びや知識の仕入れ先が、外注講師や書籍、e-ラーニングであっても、自社で活かせるようになってきます。
研修は本来、自社の成長、発展のために活用するものです。
そのためには個人に依存した研修受講ではなく、リスキリングも含めた知識のプラットフォームとなる「社内の仕組みの設計」が必要になってくるのです。
企業レベルと内製化レベルを考える「3つのステップ」
内製化のレベルが上がるにつれて、企業のレベルも飛躍的に上がるようになります。
社外から仕入れた学び、知識をどんどん社内で活用できるようになるためです。
誰しも企業レベルを上げたいものですが、その重要なボトルネックになっているのが、実は、内製化レベルの高さなのです。
ここでは、ステップを3つに分けてご紹介します。
第1ステップ|社内で研修を整理・設計する段階
【 現状を整理した上で、社内に必要なナレッジ・スキルを決める 】
内製化スキルを持ち、かつ、会社を良くしたいというマインドのある人材をプロジェクトメンバーにし、必要なスキルを選定していきます。
第2ステップ|社内の仕組みを構築する段階
【 社内研修の仕組みとプラットフォームをつくる 】
構造化するスキル、メタ思考ができるスキル、デジタルリテラシーや、教育現場などの経験や人材育成の経験も活用して、仕組みをつくり上げていきます。
第3ステップ|研修を全社展開しシナジー効果を出す段階
【 社内の研修体制の仕組みを全社へ展開する 】
第1、2ステップで構築した自社のビジネスと連動した社内の研修体制の仕組みを全社へ展開します。この段階では、どんな学びを仕入れても、社内で活かせるようになります。
自社独自の価値を高めるために、社内の知識体系を深めた方がいいのか、新しく情報収集すべきタイミングなのかが、社内で自覚できるようになっています。このステップにくると、外部セミナー選びに悩まなくなり、 社員も自身の学びを社内で活かそうという意識で学ぶようになり、社内で研修の内製化が実現するようになるのです。