人事異動の内示を伝えるタイミングと方法
目次
新米人事総務・田中と基本を学ぼう!
新人の人事総務「田中 結士(たなか ゆうじ)」が抱えるさまざまな悩みを、コンサルタント「西條 充信(さいじょう みつのぶ)」先生が解決します。
人事総務のプロとして成長するために必要な知識を、一緒に学んでいきましょう!
<登場人物>
○田中 結士(たなか ゆうじ)
社会人歴2年目で総務部に所属している人事総務担当者。社内改革プロジェクトのメンバーに選ばれ、離職防止やモチベーションアップの方法を探している。
○西條 充信(さいじょう みつのぶ)
経営と人事のコンサルタント。 自ら起業し、長年、経営をしていく中で、様々な外部環境の変化に立ち向かい、失敗と成功をしてきた。その中で学び得た実践的な仕組みづくりと、わかりやすいノウハウを提供している。
人事異動を伝える季節…

西條先生、助けてくださいぃ。
人事異動の内示を出せと言われたのですが、何をどうしたらいいかわからなくて..

田中くん、こんにちは!
人事異動は、社員さんにとって重要なイベントですし、どう伝えるかがその後の仕事に大きな影響を与えることがあるので、しっかり考えていきたいですね。
社員さんのやる気を引き出し、円滑に異動が進むように伝える方法について、いくつかのポイントをお伝えしますね。
人事異動の内示とは?

まずは「内示」とは何か?からはじめましょうか。

聞いたことある気はするのですが、なんでしたっけ?

「内示」とは、正式な発表の前に行う予告のことです。
企業の中で人事異動が決定した際、社員さんに正式に通知する前に事前に知らせることで、心の準備をしてもらう役割を果たします。

事前に伝えるってことですね!
では、「人事異動」ってどういうことでしょうか?「移動」とは違うんですか?

「異動」と「移動」は似ているようで意味が異なります。
人事異動は、社員の職務や役職が変更されることを指します。
たとえば、部署を変える、役職を変えるなど、社員が新しい役割に就くことが人事異動にあたります。
一方で「移動」と言うと、場所が変わることをいいます。
つまり、人事異動は役職や職務に焦点を当てた変更を指し、移動は主に勤務地や部署に関する移動を指すという違いがあります。
1.落ち着いて異動してもらうためには、伝えるタイミングがカギ!

「人事異動の内示」が何か分かってきました!
でも、せっかく仕事に慣れてきたのに、会社の都合で異動を言われるのって、大変なことですよねー。
伝える時に、嫌な顔をされたり怒られたりするの嫌だなぁ…

確かに社員さんにとっては大きな変化になりますね。
だからこそ、いくつかのポイントを守って丁寧に伝えてあげましょう。

わかりました!
どんなことに気をつければいいですか?

まずは、伝えるタイミングがとても重要です。
早めに内示を伝えることで、心理的に準備してもらう時間を持てるようになります。

確かに…
急に聞くと、びっくりしますし準備も大変ですもんね。

理想的には、異動が決定した段階で早めに内示を出すといいですよ。
早ければ早いほど、心の準備ができます。

とにかく早めですね!
今すぐ伝えてきます!!!

田中くんちょっと待ってください!
他にも大切なポイントは沢山ありますよ。
2.会社がサポートする姿勢を示そう

え、早く伝える他にも大事なことがあるんですか?

はい。
伝えるタイミングだけではなくて、内示後の詳細な説明も重要です。
内示を伝えた後、具体的な引き継ぎ内容や役割を詳しく説明することで、安心して業務に取り組んでもらえますよ。

なるほどー。
確かに急に異動と言われたら、何をどうしていいかパニックになりそうです。

そうですよね。
引き継ぎや顧客への連絡も重要な要素です。
社員さんが異動先での仕事にスムーズに取り組めるよう、必要な情報やアドバイスを前もって伝え、顧客や関連部署に対しても異動を早めに通知してもらうようにしましょう。
ポジティブな言葉で伝えよう

ちゃんと伝えられるか、まだまだ心配なんですが..

まずは、ポジティブな言葉を心がけましょう。
異動を前向きに受け止めてもらうためには、異動が新しいチャンスであることを強調し、今までの成果を評価しつつ、次のステップとして成長できる機会として伝えてもらうと効果的です。

ポジティブな言葉..ってどんな感じで言ったらいいですか?

例えば
「この部署でしてくれたOOの業務や、XXのような働き方など、残してくれた成果をしっかり評価しています。その上で、次のステップとして新しい部署での挑戦をお願いしたい」
という様に、前向きな姿勢で伝えると、社員さんも自分の成長を感じてもらえるでしょう。
さらに、異動があることで新たにスキルアップできる機会やキャリアの広がりを伝えると良いでしょう。

なるほど!
異動って大変だしネガティブに思っていたけど、「新しいチャンス」と思ったらいいんですね!

その通りです。
また、異動に伴う不安や疑問にもきちんと答えて会社がサポートする姿勢を示し、安心して準備を進めてもらいましょう。
まとめ:伝えるタイミングと方法が成功のカギ

西條先生、ありがとうございました!
異動を伝えるのが恐くなくなってきました!

それは、よかったです。
人事異動の内示を伝える際に特に大切なのは
- 早めに伝える
- ポジティブな言葉でやる気を引き出す
- しっかりとした引き継ぎと顧客対応を準備する
これらに注意することで、社員さんが安心して新しい業務に取り掛かれるようになり、異動後の業務もスムーズに進行します。
会社がこれまでの仕事を評価していて、更なる成長の機会に上がってほしいということをしっかりと伝えて、サポートしてあげてくださいね。
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